A fish on the leaf of the banana.

この時期考えること



昔,保育園に通っていたくらいの頃
母についていった病院の待合室で
パラパラと眺めていた週刊誌のとあるページ
見開きで載っていたのは中沢 啓治さん(はだしのゲンの作者)の描いた
原爆投下直後の町の様子だった。

建物は崩れ落ち,燃え上がり
そこに立つ人々は目から血を流し
ヤケドで剥がれた皮膚が指先にぶら下がる。
赤ちゃんを抱く女の人の腕や胸にはびっしりと
割れたカラスの破片が突き刺さり
抱える赤ちゃんの顔にもそれは刺さっていた。
抱き合ったままで真っ黒に焦げて死んでいる兄弟の姿。
燃え上がって暴れる馬。

今思い出せばそんな様子の描かれた絵だったと思う。
字を読めなかった私は
なんの説明もなく,ただその絵のみに見入った。

当時の私は
第二次大戦のことも原爆のことも何も知らなかったけれど
そこに描かれた有様があまりに強烈で
いつのことなのか
本当にあったことなのか
想像なのか
これから起きるかもしれないことなのか
なにも思い描くことも出来ず
ただただ恐ろしくて
もしかして自分の目の前にそんな世界が広がるのではないかと
誰にも 何も言えず 何も聞けず
その日はご飯も食べられず
布団の中でひとり何度も
中沢さんの描いた絵を思い出していた。

私は
あの時の恐ろしさに包まれた気持ちを忘れてはいけないと思う。
あれから色んな知識を得て
たくさんの戦争について自分なりに勉強したけれど

戦争で傷ついた人達が受けた悲しみや苦しみを思ったり
平和に暮らす自分の身で
ここが戦場だったらどうなんだろうと想像してみたり
どうすればいいのか,何をしたらいいのか
色々考えてみたり

だけど
子供の頃,あの時感じた恐怖が全て。
絶対にあの絵のようなことが起きてはいけないと
強く思う。



核が抑止力になる とか
核の平和利用 とか


それってどういうことでしょう。
どちらも私にはとても空々しく聞こえる。

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by lotus-moon | 2005-08-08 13:42 | 静かなこと