A fish on the leaf of the banana.

私の中の菅原洋一



すごく昔,物心付くか付かないかの頃だから,多分私は4歳くらいだったと思う。
その当時身近にいた大人の誰かがテレビで歌う菅原洋一をみて

「○○(私の名前)に似てるね」

ポツリと言った。
その場にいた他の大人達は,アラ,ホントだ・・うふふと笑って
子供心にもそれがどういう笑いなのかは充分伝わってきた。
居合わせた大人が誰なのか,今となっては思い出せないが,
母や祖母,母の妹達あたりだと思う。

その日以来,
私は誰かがまた菅原洋一をみて「あなたに似てるわね,ふふふ」と笑うのがとても怖くなり
自分がいるときに彼がテレビにでていたりすると,言葉も出なくなるほど緊張した。
困ったことに,今と違って当時は彼,結構テレビに出ていたのです(失礼な・・^-^;)
確か風邪薬のCMにも出演していたので,ひとりドキドキする機会は思いの外多かった。
たまたま遊びに行った親戚の家に,その風邪薬を買ったオマケか何かであろう
菅原洋一の似顔絵入りのビーチボールの様なものがおいてあるのをみて,震え上がった。

私がいて
菅原洋一@ビーチボールがあって

その二つに気付いた誰かが
「あら・・・ふふふ・・」と笑い,他の人達も笑い出すのではないかと
その家にいる間中生きた心地がしなかった。

そのうち年と共に彼はそこまでの恐怖の対象ではなくなってゆき
また幸いなことに彼がテレビに出る機会も減っていったので
私がそのことでドキドキすることも同時に減っていった。
それでも,紅白で彼がラ・バンバを歌う姿を
家族と年の瀬のマッタリとした時間の中で眺めながら,心の中でイヤな汗を流し続けた。

ごく最近まで,このことを私は自分の心の中に秘めていた。
それは別に大切にしているとかそんなものではなく
似ていると言われたこと
今まで気にし続けたこと
そういう恥ずかしさや恐怖が強すぎて
例えばどんな形で他の人に打ち明けたら良いのかもわからなかったからだと思う。
深刻ぶって話しても
笑い話にしても
あまりにも自分が愚かで,とても話せることではなかった。

ある日,旦那に「私って菅原洋一に似てるよね」と私は言った。
私の質問が唐突すぎて
さらに菅原洋一を思い浮かべるのに何秒か要したようで
旦那は,何を突然という顔をしながら「似てないよ」と言った。
私は堰を切ったように

そんなはずはない
昔,そういわれた
似ているはずだ
絶対に似ているはずだ

と訴えた。
だけど旦那は「似ていない」と言う。
もしかしたら本当に似ていないのだろうか。
なんだかそんな気がしてきて,勇気を出して母親にもきいてみた。
彼女はおそらく,一番最初に「似ている」と言われた現場にいた人の中のひとり。
母は「似てない」と言い,しかもそんなことを昔聞いた(言った)記憶もないと言う。

それから
私の中の菅原洋一は形を変えて
普通のタンゴ歌手のおじさんになった。

自分の内に秘めたものを誰かに話すと言うことは
たとえこんな些細な告白でも心を軽くしてくれるのだと
少し感動した。
よくカウンセリングなどで,
「話すだけで楽になることもある」などと言われて
話すだけじゃ物事解決しないよ~なんて思っていたけど
あれはこういうことだったんだ。

もしこれを読んで下さっている人の中に,菅原洋一さんのファンの方がいらしたらごめんなさいです^-^;
たまたま,幼い私のトラウマ的存在だったということで,どうか許して下さい。
同じような存在で
私の中の林真理子@ルンルンを買って・・の頃
私の中の中井美保(コレは逆トラウマ^-^;)
などがありますが,どれも今では自分で先に振れるネタです。
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by lotus-moon | 2004-11-10 13:24 | アホなこと